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科学技術社会論学会 (Japanese Society for Science and Technology Studies)  
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2008/11/22 土曜日 05:21:53 JST
 
 
第45回「科学技術社会論研究会」ワークショップ PDF プリント メール

第45回「科学技術社会論研究会」ワークショップ
「リスクの社会的意味」

2005年4月23日(土)10:00-17:50
東京大学先端科学技術研究センター13号館 109号室

皆様

「科学技術社会論研究会」では、来る2005年4月23日(土)に、以下のワークショップを行います。ご関心をお持ちの方にご案内いたします。

準備の都合上、参加の方はお手数でも、10日前までに下記の参加登録用ページよりご登録ください。
http://nmasaki.com/stsws.html
 
会の1週間前には、発表梗概などの資料をお送りします。定員があります。ご承知おきください。

本研究会は、焦点の特定テーマを巡るone-day workshopであり、講演会ではありません。今回のテーマに関して、ご自身の課題、また発言されたいことなど、一言お書き添え下さい。参加者内で公開し、討議の際の資料にさせていただきます。

また、終了後、同会場で簡単な懇親会(会費約1000円)があります。研究交流を深められたらと思います。参加の方はこの点も10日前までにお知らせください。

この案内は、転送自由ですので、ご関心の向きにお知らせください。

事務局では、随時、研究会企画の提案を受け付けています。詳しくは、ご相談ください。

事務局


1.ワークショップの目的

昨今、「リスク論」「リスクコミュニケーション」はある種のブームとなっている。しかしそのような傾向に対して、ある種の危惧がもたれている。それは環境に関するリスクや、GMOのリスクが「科学的なもの」としてのみ語られて、その社会的・政治的・経済的・文化的な意味が無視されてしまうことに対する危惧である。またリスクを課す者と課される者との非対称、リスクの配分の不平等、さらに社会的・政治的弱者に対する配慮が軽視されてしまうこと、自然的なリスクと人為的なリスクとが同じリスクの名のもとに語られることに対する違和感などもその危惧の原因になっていると思われる。また「リスク論」が「リスクは少ない、だから安心するのが当然なのだ」と主張するために用いられることに対する違和感もあるだろう。そもそも科学技術の使用から生じるリスクには、政治的・社会的な背景があることを忘れてはならない。

今回の研究会では、化学物質による汚染を一つの軸にして、リスク概念の社会的意味について考えてみたい。まず環境リスクを国際政治の観点から考えるために、石井敦さんに「外交科学」という観点から問題提起をお願いする。リスクに対処するための科学は外交などの政治的文脈を組み込んだものでなければならないという点について考えてみたい。次に朴恵淑さんから、四大公害、特に四日市喘息訴訟を中心に、企業、行政、原告のリスク把握の相違と、判決が企業や行政に与えた影響について紹介していただく。公害に関する企業の社会的責任や行政の責任の問題について、リスクの把握という観点から考えたい。

最後に、大竹千代子さんに予防原則の概念について改めて紹介していただく。「予防原則」を実際の環境政策に対して用いることについては、批判的な意見も少なくないが、予防原則に関する議論は科学的に不確実な事象に関するリスク評価と、リスクがもつ社会性を浮き彫りにすることになるだろう。

また全体討論では、ナノテクノロジー等のリスクにまで視野を広げて、「リスク」論社会的な意味について再考してみたい。

リスクのポリティックスに関する議論は始まったばかりであるように言われることも多い。だが公害や化学物質汚染については長い議論の蓄積があり、そのような議論をもとにしてリスクのポリティックスについて議論することが可能である。今回の研究会は、「リスクは少ない、だから安心するのが当然なのだ」と言うがための「リスク論」に対して批判的な視点を確保するための一つの試みである。

2. ワークショップの時間割

10:00-10:15  趣旨説明 蔵田伸雄(北海道大学)

10:15-11:30 話題提供1(討議30分を含む・以下同)

石井敦(東北大学)
 「国際社会におけるリスクへの対処法:「外交科学」の構築とその政策的含意」

科学技術社会学は今までにさまざまな「リスクに対処する政策のための科学モデル」を構築してきた。しかし、それらのほとんどが国内政策を事例としてモデルを構築しているため、「国内政策のための科学モデル」となってしまっている。国内政策から外交まで視野を広げてみると、環境外交における科学の役割は決定的に重要である。それはジャサノフが言うように、「価値中立」を旨とする科学だけが、多種多様な国家が価値観や文化の違いを超えて合意できるフォーラムを提供できるからである。それにもかかわらず、環境外交における科学の振る舞いを記述するモデルはいまだに構築されていない。本発表の目的は、影響力のある科学アセスメントの実施に成功している欧州酸性雨問題を題材として、国際社会における環境リスクに対処するための科学を、「外交の文脈を取り込んだ科学」=ディプロマトリ・サイエンス(diplomatory science)として構築することである。

11:30-12:45 話題提供2

朴 恵淑(三重大学)
「日本の四大公害からみるリスク-水俣病と四日市公害の事例から」

日本の高度経済成長期であった1960-70年代に発生した四大公害問題、「公害」という概念すらなかった時代に、自然環境に対してはもちろんのこと、公害裁判において勝者・敗者の両側に決定的な影響を与え、日本の環境レジームに変革をもたらしたこの「公な害」、そこにおいてリスクが関係者にどのように捉えられていたのかを検討する。
 水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市喘息で代表される四大公害のうち、まず「公害」の原点としての水俣病における、被告側のチッソや行政が何をリスクとして捉えていたのか、原告側が捉えていたリスクとの乖離は何だったのかを指摘する。
 また、他の3訴訟と異なり、大気汚染による公害であり、複数の被告に対する共同不法行為が認定された四日市公害問題について、公害裁判の諸過程でみられたリスクの捉え方について考える。「四日市喘息訴訟」は原告側勝訴が言い渡されたが、企業や行政など関係当事者のリスク把握に大きな影響を与えるターニング・ポイントとなったことを判決文から指摘したい。また、裁判を担当した裁判官の見解などから、企業が本来あるべき社会的責任を果たさなかった問題への対応や、行政の責任論、命の尊厳に関する環境正義(倫理)への問題提起、疫学的因果関係論が認められた背景及びその後の公害裁判に大きな影響を与えることとなった諸プロセスについて、リスク論の立場から検討する。

昼食

13:45-15:00 話題提供3 

大竹千代子(化学物質と予防原則の会)
「予防原則とは何か-リスクの社会的意味」

予防原則は、潜在的なリスクが疑われる物質や要件の存在が認知された時、それを回避・削減するために予防的な措置の選択を可能にする考え方であり、制度である。適用の選択に当たっては、その物質や要件と被害との間の因果関係が科学的に充分証明されていなくても、また、リスク評価の結果に科学的不確実性が含まれている場合でも、被害発生の証拠を必要としないで、対策を実行することができる。それは、人の健康と環境の保護を勝ち取ってきた長い歴史の中で、必然的に生まれてきた概念であると考えているからである。

休憩

15:15-15:35 レスポンス1 石原孝二(北海道大学)

15:35-15:55  レスポンス2 黒田光太郎(名古屋大学)

休憩

16:10-17:50 総合討議  司会 蔵田伸雄

18:00-19:00 懇親会


今回の研究会は日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究B2「リスク論を軸とした科学技術倫理の基礎研究」(代表蔵田伸雄)による研究会との共催である。

10日前迄に以下のページより参加登録下さい。http://nmasaki.com/stsws.html
 
科学技術社会論研究会・事務局  
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東京大学・中村征樹  このメールアドレスはスパムボットから保護されています。観覧するにはJavaScriptを有効にして下さい
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