「リスク行政の現状と課題:国際的動向と日本の課題」日時: 2004年10月16日(土)10:00-18:00 場所: 東京大学先端科学技術研究センター13号館 109号室 皆様 「科学技術社会論研究会」では、来る2004年10月16日(土)に、以下のワークショップを行います。ご関心をお持ちの方にご案内いたします。 なお、9月25日の第42回ワークショップは、定員を越えてすでに締め切っています。お間違えないように願います。 準備の都合上、参加の方はお手数でも、10日前までに下記の参加登録用ページよりご登録ください。 http://nmasaki.com/stsws_43rd.html 会の1週間前には、発表梗概などの資料をお送りします。定員があります。ご承知おきください。 本研究会は、焦点の特定テーマを巡るone-day workshopであり、講演会ではありません。今回のテーマに関して、ご自身の課題、また発言されたいことなど、一言お書き添え下さい。参加者内で公開し、討議の際の資料にさせていただきます。 また、終了後、同会場で簡単な懇親会(会費約1000円)があります。研究交流を深められたらと思います。参加の方はこの点も10日前までにお知らせください。 なお、続いて以下のワークショップがあります。ご予定ください。 - 44回 2004.12. 4 「エミール・ゾラの自然主義と、当時の科学文化」(仮)
この案内は、転送自由ですので、ご関心の向きにお知らせください。 事務局では、随時、研究会企画の提案を受け付けています。詳しくは、ご相談ください。 事務局
1.ワークショップの目的本ワークショップの目的は、リスク行政をめぐる国際的な動向を踏まえながら、日本におけるリスク行政のあり方について検討することにある。近年の原子力行政における確率論的安全性評価や維持基準の導入、食品安全基本法の施行と食品安全委員会の発足、薬事法の改正による製造承認制度から販売承認制度への移行などにより、日本のリスク行政は、その制度を整備しつつあると言うことができるだろう。しかし、こうした制度が日本の製造・流通制度、消費者の行動傾向において、どの程度有効に機能し得るかは未知数である。また、リスク評価やリスク管理の手法をめぐっては、様々な議論が展開されてきたが、リスク-費用便益分析と環境正義の問題や、リスクコミュニケーションの様々な手法の有効性と問題点に関して欧米で積み上げられてきた議論が、近年の日本のリスク行政における変化において十分に踏まえられてきたとは言いがたい。例えば、双方的なものであるべきリスクコミュニケーションが、日本の行政当局では、専門家によって構築されたリスク管理システムを国民に浸透させるためのツールとしてのみ捉えられる傾向がある。こうした理解は、システムとそのシステムを支える理念との間にギャップを生み出しつつあるようにも思われる。本ワークショップでは、リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーションの様々な手法とシステムの原理的な有効性と限界について検討するとともに、日本のリスク行政において、これらの手法とシステムが適用可能であるのか否かを議論していくことにしたい。 2.ワークショップの時間割10:00-10:10 趣旨説明 10:10-11:20 話題提供1(討論30分を含む。以下同) 石原孝二(北海道大学) 「リスク行政は日本に根付くか? ――リスク評価・マネジメント・コミュニケーションをめぐる諸問題」 現在日本では、リスク評価・リスク管理・リスクコミュニケーション(以下RAMC)の様々な手法とシステムが導入され、法制度も整備されつつある。こうした変化は、1.定量的評価の導入と2.運用・流通段階でのリスク評価・リスク管理システムの構築を目指すものであり、欧米で発展してきた様々な手法を日本の行政が取り入れつつあるものと考えることができるだろう。 しかし法制度の急速な整備に対して、RAMCに関する行政・企業・技術者・消費者の理解は、それに見合うほど成熟していると言えるだろうか?日本では、欧米で論じられてきたRAMCにまつわる様々な問題に関する議論を十分経ることなくシステムのみが導入されつつあるように思われる。また、文部科学省や総合科学技術会議が展開する「安全・安心な社会」の構築のための科学技術政策はRAMCの誤用を招く要素を孕むものである。本発表では、RAMCの様々な手法の有効性と限界および、日本における適用の現状について考察し、本ワークショップの導入のための議論を提供することにしたい。
11:20-12:30 話題提供2 西澤真理子(シュトゥットガルト大学) 「欧州連合における予防原則導入の政治、経済的背景 ――化学物質規制案 REACH などを例に」 欧州連合はリスクが科学的に証明できない場合に警戒措置をとるという"Better safe than sorry"の精神に則った予防原則を環境保護、食品安全の分野で積極的に採用してきている。予防原則とは、現在確認されているリスクだけではなく、未知のリスクを未然に防ぐための,いわば法的なバリアであると言えよう。未知のリスクを科学的な根拠から推測し、法的な方向から抑制をかけることで、われわれの社会、環境、健康を守るわけである。 では、実際如何にこれらの予防原則が作成され、採用されてきているのであろうか。本報告では、欧州連合で現在審議中の化学物質規制制度(REACH),遺伝子組み換え作物,地球温暖化政策を例に、予防原則導入の理由と過程を分析し、その問題点を指摘する。
12:30-13:30 昼食 13:30-14:40 話題提供3 新山陽子(京都大学) 「日欧米の食品安全行政と人間行動・社会システム観」 食品分野では安全確保の国際規範として、FAO/WHO合同の政府間組織であるCodex委員会において「リスクアナリシス」の手順が定められている。リスクの科学的分析から、リスク低減のための規制・政策、リスクコミュニケーションの一連のプロセスからなるものであり、この規範が、日欧米の食品安全行政の考えかたや仕組みにどのように活かされているかを検証する。 また、試論的ではあるが、日欧米の間での、食品安全行政のバックグラウンドとなる人間行動観(経済人モデル)および社会システム観の共通性と相違について検討し、食品安全問題の特質と行動、システムの望ましいあり方について問題提起を行ってみたい。
14:40-14:50 休憩 14:50-16:00 話題提供4 川内 陽志生(東洋エンジニアリング株式会社) 「リスクとコストの最適化 ――化学プラントのライフサイクルコストをめぐる国際動向を中心にして」 化学プラントの設計には納期、品質、そしてコストのバランスが必要とされる。化学プラントはその特性上、事故が発生した場合の従業員及び周辺住民への影響が大きい為、特に品質(リスクを含む)とコストをどうバランスさせるかは実務上重要である。リスクとコストの評価の為には、それらの定量化が必要となり様々なアプローチがなされている。本報告では現在化学プラントの設計で行われている、リスクの定量化とコストの評価について紹介する。 リスクは事故発生による損害を致死率で定量化することが多くその基本的な考え方は原子力発電設備の定量的リスク評価(QRA)をベースとしている。またコスト評価についてはライフサイクルコストについて紹介する。ライフサイクルコストはその概念は古くからあるもののその適用が難しく実用化が広まらなかった背景がある。しかし国際規格化の流れもあり最近又注目を浴びつつある手法である。これらリスクとコストの最適化について具体例を含め紹介する予定である。
16:00-16:40 レスポンス レスポンス1 平川秀幸(京都女子大学) レスポンス2 鬼頭秀一(恵泉女学園大学)
16:40-16:50 休憩 16:50-18:00 総合討議 司 会 石原孝二 18:00-19:00 懇親会
10日前迄に以下のページより参加登録下さい。http://nmasaki.com/stsws_43rd.html 本ワークショップは日本学術振興会科学技術研究費補助金(基盤研究B)「リスク論を軸とした科学技術倫理の基礎研究」(蔵田伸雄代表)との共催です。 科学技術社会論研究会・事務局 国士舘大学・木原英逸
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東京大学・中村征樹
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